ようやく酷暑の名残りの薄れた今月27日、2024年度計画のハイキングを実施いたしました。高齢化の進んでいる栃木地域としては、参加者6名と会員の3割にも届かず寂しい状況ではありましたが、流石にハイキングに参加をされる皆様は健脚揃いでしたので、LRT停車場からの往復約6Kmの道のりを無事全員で完歩致しました。楓や紅葉のトンネルを散策しながらと言う状況では無く、広い田園地帯の中を、遠くに見える里山の紅葉を展望しながら、のどかな雰囲気に浸りながらのハイキングとなりました。改めて年齢を重ねていても健康で動ける事の有難さを痛感した次第です。
さて今回訪れました酒蔵は、創業明治4年(1871年)今から約150年前に今井酒造店として創業、現在は6代目である菊池正幸氏が代表者を務める宇都宮酒造(株)です。栃木県内では主力商品である「四季桜」の名称で広く親しまれている酒造会社です。最近は海外での日本酒ブームに支えれられた各地でのコンテストでも優秀な成績を納めております。
廃棄された酒樽で作られた大きなテーブルとイスで設えられた部屋で、ご当主自ら酒の完成までの工程についてパワーポイントを使って丁寧なご説明を頂き、その後実際に酒を造る現場を案内されました。その際は酒造りのメインキャラクターである酵母菌を邪魔しない為の雑菌対策として、不織布製の羽織物及び帽子と言う普段は絶対お目に掛れない姿になり、各種の大型ツール等を目を見張る思いで見学しました。またその説明の中で一番印象に残った事は、温度管理を中心とした品質管理の厳しさでした。それは物を創り出す側の姿勢としては、賞賛とリスペクトに値するもので、その基になっているのはユーザー側の視線も一因であろうと想像出来ました。ただ現在は各種の測定器は充実しており、遠隔でそれらを監視する事も難なく出来る時代ですから、「はたして昔の酒造りや飲む側の人達は、多分大らかでゆったりしていたんだろうな」と思いを巡らしました。
そして最初に案内された部屋に戻り、酒蔵見学恒例の試飲をさせて頂きました。行儀の良い皆様でしたので、ご当主がグループに分かれたテーブルまで運んで下されたり、薦被りを使った鏡割りを演じたり(当然中は空でしたが)と楽しい時間となりました。ご当主からは手造りにこだわる熱いお思いや、作り方の違う好みの種類のお酒を嗜んで欲しい事、1970、80年頃の日本酒全盛時代には選挙があると大きな利益があった事、二本縛りや薦被りを選挙事務所に届けると、その事務所の当落が分かった事等、様々なお話を伺い酒蔵を後にしました。
途中の道筋では「これからは、あだやおろそかに日本酒が飲めないね」等と話しながら、最後は再度LRTに乗車してJR宇都宮駅に戻り、全員で軽めに懇親を深めて一同無事に帰路につきました。
以上